オーストラリアやカナダ、最近ではイギリスも規制解除され、今後更に日本人の若者が海外で活躍する事になっていくと思います。
楽しみや不安が混ざった気持ちで渡航することになると思いますが、日本での申告をしっかりしないと、余計なお金が請求されたり、日本に一時帰国して手続きを行わなければならなかったりとトラブルに見舞われます。
そういった過ちを起こさないためにも、今回のブログを参考にしていただければと思います。
では、まず最初に、今回の前提条件ですが、、、
- 留学やワーホリ前に「日本で行う必要があること」に焦点を当てていきます。
- やるべき項目ごとに分けて、分かりやすく記載しています。
関連記事は、以下でまとめています。
参考にしてみて下さい!
海外転出届の提出
留学・ワーホリに行く方は日本を離れ海外に居住することを申告する必要があります。
原則1年間以上行く方は必須の申請になりますが、メリットが大きいため、1年未満の方も全員が行なっておくべき申請と言えます。
申告を行うことで、住民票が抜かれることになり、各種メリットやデメリットが発生してきます。
- 対象者
1年間以上海外に居住する人は必須
1年未満の方も推奨 - 場所
居住地管轄の区役所(管轄によっては市役所対象) - 期間
転出する日(出国日)の14日前から申告可能 - 持ち物
①海外転出届
地方自治体によって若干様式が異なるため、管轄の区役所で申請当日に記入しましょう。
②パスポート
③マイナンバーカード
メリット
住民税の支払いが不要になる
毎月給与から引かれている住民税ですが、給料が高くなればなるほどかなりの支出ですよね。
正社員の方だと、最低でも毎月10,000円〜15,000円くらいの住民税が引かれていると思いますが、海外転出届を提出することで、支払う義務が無くなります。
住民税支払いの要件では、「1月1日時点に住民票が日本にある全員が対象」となるため、仮に数ヶ月だけの渡航でも、1月1日をまたぐ場合には、海外転出届を提出する方が利口かもしれません。
ただし、帰国した年の12月末までに103万円以上を日本で稼いだ場合には、1月1日時点で海外転出していたとしても、住民税が課税されるので注意してください。
年金の支払いが不要になる
正社員で働かれている方だと厚生年金、そうでない方でも国民年金に加入していると思います。
厚生年金の金額は給与明細やこちらで確認ができますが、国民年金でも月額約17,000円となり、結構な支出です。
海外転出届を提出することで、これらを支払う義務が無くなります。
ただし、国民年金は、納付額に対して付与額が決定するため、支払いをしていない期間があればその分減額されてしまいます。
定年後にもらえる金額が少なくなることを防ぎたい場合には、海外転出後(出国後)でも任意加入することができますので、詳しくは年金の手続きに関する項目を確認ください。
デメリット
国民健康保険の加入が不可になる
国民健康保険または社会健康保険などの健康保険に加入できなくなります。
住民税や年金と同様に、正社員の方ですと、毎月10,000円以上の支出があると思いますので、支出削減という側面ではメリットだと思います。
ただし、日本の医療水準の高さや安心感、気軽に訪れることができることなどを考えると、デメリットも大きいと思います。
また、国民年金の様に任意加入ができず、再加入にも時間を要するので、例えば、一時帰国で病院に行きたい場合や、重病で帰国した場合には苦労するはずです。
また、国民健康保険には「海外療養費制度」があり、海外で治療を受けた場合、一旦全額負担しなければならないものの、帰国後に請求すると一部が戻ってきます。
当制度の利用もできなくなってしまうため、海外での診療についてもハードルが上がるでしょう。
医療費10割負担を受け入れるか、海外の保険などに任意で加入しリスクヘッジをすることができます。
任意保険は時期や国によって内容が大きく異なります。
保険内に日本も含めると基本的に高額になるケースがほとんどなので、保険代理店に相談しながら要検討する様にしましょう。
失業保険が受給できない
会社員の方が退職する場合には、色々な要件はあるものの、失業保険などの補償を受領することが可能です。
海外転出届を提出して住民票を抜いた場合、基本的にはこれらを受領することができなくなります。
4年以下の転出であれば、受領できる裏技がありますが、ハローワークの判断による部分や日本にいる代理人に委託する必要があり、ハードルは高いと言えます。
詳しくは失業保険に関する項目を確認ください。
戸籍謄本や印鑑証明が発行できない
住民票が抜かれるため、戸籍謄本や印鑑証明などの書類が発行できなくなります。
そのため、必要な場合には前もって発行しておく必要があります。
特に海外転出中にパスポートを紛失した場合には、現地の日本大使館で再発行の手続きを行いますが、戸籍謄本を求められる場合があります。
そのため、戸籍謄本は留学・ワーホリに関係なく海外に行く場合には1部用意しておくと無難です。
また、帰国後に転入届を提出する際、本籍地とは別の場所に転入する場合には戸籍謄本が必要になります。
国外転出者向けマイナンバーカードの発行
以前は海外転出届を提出するとマイナンバーカードを返却しなくてはならないデメリットがありました。
しかし2024年5月以降は海外転出者向けのマイナンバーカードが施行されており、新規発行する場合でも、すでに交付されてる方の情報書き換えも可能となっています。
概略は下記、詳しくはマイナンバー総合サイトをご確認ください。
- 対象者
海外転出者 - 場所
居住地管轄の区役所(管轄によっては市役所対象) / 郵送 - 持ち物
①マイナンバーカード / 個人番号カード券面記載事項変更届
②個人番号カード券面記載事項変更届
こちらから各種パターンごとの申請書をダウンロードできます。
年金に関する手続き
海外転出届を提出することで、住民票が抜かれるため、自動的に年金の対象外となり未加入の状態となります。
人によっては支払督促の書面が届いたケースもあるみたいですが、これらは行政の各機関に情報伝達ができていないことが原因の様です。
もし届いた場合には、差出人へ連絡し事情を伝えてほしいとの話です。
また、国民年金は任意加入が可能です。
任意加入については以下のとおりとなります。
- 対象者
海外転出するが国民年金に任意加入したい方 - 場所
居住地管轄の区役所(管轄によっては市役所対象) - 期間
転出前が好ましいが、転出後でも申請可能 - 持ち物
①国民年金被保険者関係届書(申出書)
こちらからダインロードが可能です。
確定申告に関する手続き
給与所得以外に年間20万円以上の外部収入がある方については、基本的に確定申告が必要となります。
可能性がある場合(特にふるさと納税をしていたり、暗号資産の売買を行なっている場合には注意が必要です)には、とりあえず納税管理人を設定しておきましょう。
納税管理人は実際の納税する義務のある人(納税義務者)の代理になって、市県民税や固定資産税の納税に関する一切の事を管理する方となります。
一般的には親御さんや税理士がこれにあたります。
納税管理人届出については、以下のとおりとなります。
- 対象者
確定申告が必要になる可能性がある場合 - 場所
管轄の税務署 / 郵送 - 期間
海外転出日まで - 持ち物
①納税管理人届出書
こちらからダウンロード可能です。
運転免許に関する手続き
運転免許証については主に2つの手続きが必要になります。
1つ目は免許証の更新です。
留学やワーホリ中に期限を迎える方はもちろん、余裕がある場合でも数年間海外転出する予定の方は全員がしておいた方がいいと思います。
海外に居住すると、周りの国へ旅行に行きたくなって帰国が遅れたり、思わぬところから就労ビザを貰えたりと、ポジティブなハプニングもあります。
そんな状況下で免許更新のためだけに一時帰国するのって完全に無駄な出費と時間ですよね。
2つ目は国際免許の取得です。
留学・ワーホリ先で運転しない予定の方も念のため取得しておいた方がいいと思います。
特に、オーストラリアの場合には、車でオーストラリア中を回ったり、ファームジョブをしてビザ延長をする場合には、免許の有無が重要になっています。
イギリスの場合にも車で旅行するケースもあるので、あったほうがベターだと思います。
国際免許証の有効期間は1年間です。
更新は各国にある大使館でできますが、国際免許証用の写真が必要になるので、余分に準備するようにしましょう。
- 対象者
運転免許保持者全員 - 場所
管轄の自動車センター等 - 期間
海外転出直近の平日
SIMの手続き
日本のSIMについては3種類の手段があります。
1つ目は解約してしまう方法です。
電話番号が必要ない方はこの方法を選んで、無駄な出費は抑えるべきだと思います。
しかしこれには十分な注意が必要です。
日本のサービスを利用したい場合には、SMS認証が必要となる場合があります。
こういったケースで、やりたい事を上手く出来なくなることが多いです。
例えば、自分の銀行口座からお金を出金したい場合や、登録されている個人情報の確認などにはSMS認証が必要になるケースが多いです。
2つ目は休止措置を行うことです。
大手通信キャリアは休止措置を用意しており、月額数百円程度で電話番号を保持しておけます。
しかし、これについても1つ目と同様のデメリットが発生するので、注意が必要です。
3つ目は格安SIMに切り替えて利用せずに放置する方法です。
この方法だと支出は若干高くなるものの、1つ目・2つ目のデメリットは払拭でき、海外でも不自由なく日本のサービスを利用することができます。
この方法でのおすすめは、以下の2キャリアです。
①日本通信SIM
- 月額
税抜290円 - データ量
1GB - メリット
①値段が最安値で支出を抑えられる。 - デメリット
①変更手続きを全部自分自身で行わなくてはならない。
②変更手続きが日を跨いで2段階になっているため、渡航日の数日前など早くに変更する必要がある。
③切り替え特典などが特にない
②楽天モバイル
- 月額
税抜880円 - データ量
3GB - メリット
①店舗があれば即日変更可能なので無駄な期間ができない&容易
②海外で日本サービスを利用するには十分な通信量がある
③切り替え特典が大きい印象なので、下手したら元を取れる可能性がある - デメリット
①日本通信SIMに比べて金額が高い
失業保険の裏技
まず、失業保険の要件は以下の通りです。
- 対象者
すぐに働ける状態にあり、働く意思はあるが、失業状態である人 - 場所
ハローワーク - 期間
1年間
海外に行く(海外転出届)を提出する以上、ハローワークは「すぐに働ける状態にない(日本で)」と判断します。
以上の理由から、失業保険の受給はできないという結果になるわけです。
しかし、ここで利用できるのが「受給期間延長申請」です。
これを利用することで、本来受給することができる期間は上記記載の通り1年間ですが、+3年間(合計で4年間)も延長することが可能です。
これにより4年以内に帰国する場合には、失業保険を受給できる様になるわけです。
受給期間延長申請の要件は以下のとおりです。
- 申請ができる日程
退職日の31日後以降 - 場所
ハローワーク - 必要書類
①受給期間延長申請書
ハローワークで交付される。郵送対応も可能。
②離職票
退職後に会社から交付される。
③延長理由を証明する書類
語学学校の支払証明や入学許可証など。
④渡航日を証明する書類
パスポートの顔写真ページ+出国日のスタンプが押されているページや航空券の予約など
必要書類の①に記載の通り、受給期間延長申請書は2024年時点では、オンラインでダウンロードすることができず、ハローワークで交付か郵送を依頼する必要があります。
つまり、退職後にまずはハローワークに行き「求職登録」を行なった後、「受給期間延長申請書」を入手する必要があるわけです。
人によっては、振替休暇や有給休暇消化中に渡航する方も居ると思います。
そういった方については、退職日(振替休暇や有給休暇消化後)以降に一時帰国して失業保険の各種手続をする必要があり、一時帰国まで海外転出届を提出できないことに注意しましょう。
ちなみにハローワークへの求職登録は原則本人となり、受給期間延長申請は親族などに代理することも可能です。
銀行の手続き
日本の銀行は基本的に日本に居住している人を対象に口座開設・維持を行っています。
つまり海外転出届を提出して住民票を抜くことで、原則口座の維持はできないこととなります。
銀行へ問い合わせても同じような案内となります。
しかし、実態は原則と異なっており、海外でも問題なく利用することができるとYUKIは認識しています。
これまでみずほ・ゆうちょ・三菱UFJで試しましたが、どれも問題なく利用することができています。
ただし、振込や海外送金をする際には注意が必要で、SMS認証が必要になったり、ワンタイムパスワードが上手く入手できなかったりします。
SMS認証は前述したSIM方法で解決できますし、ワンタイムパスワードについては、専用の電卓(月額数百円)を用意することで対策できます。
- 対象者
海外転出者全員 - 場所
銀行 / オンライン - 期間
海外転出前まで
証券口座等の手続き
証券口座も銀行口座と同様に日本に居住している人を対象にしています。
証券口座の場合には、その口座は休止扱いになるので、証券等の売買やお金の移動ができなくなってしまいます。
長期投資を行っていて、海外に行っている間眠らせても良い場合には放置でいいと思いますが、多くの費用がかかるため、多くの方は資金移動が必要になるはずです。
リスクが大きく試したことがないですが、現金化しておくのがベターだと思います。
ただ、現金で保有する事をリスクと考える人も多いと思います。
そういった場合のオプションは以下の通りとなります。
①証券口座を維持して海外転出中は動かさない
②暗号資産に変換して保有する
暗号資産口座の中でもBybitなどの海外資本口座であれば、居住国の変更を行うことができ、フレキシブルに売買や資金の移動が可能です。
招待コードを利用すれば最大1710USDか30%の手数料特典が可能なので、利用してみてください。
招待コード「B8OJ1G」
③Revolutでコモディティ(金や銀)に投資する
時期によって良し悪しはあるものの、国際銀行のような役割をしているRevolutではコモディティへの投資も可能です。
現金保持の場合、100万円以上の保証がされていませんが、投資しておけば大丈夫なので、保証基準クリアの方法としても利用できます。
- 対象者
海外転出する人の中で日本で投資を行っている場合 - 場所
オンライン - 期間
海外転出2週間前まで
資金移動(現金化)には時間がかかる場合がほとんどです。
2週間程度余裕を持っておかないとプロセスの途中で身動きが取れなくなってしまします。
必要書類の取得・コピー・PDF化
各種必要書類を揃えることも海外転出する上では非常に重要です。
日本であれば簡単に手に入れることができても、海外にいることで色々な障壁が発生するケースがあります。
- 対象者
海外転出者全員 - 場所
会社 / 行政 / オンラインなど - 期間
海外転出1ヶ月前まで
入手が必要な書類は以下の通りです。
①会社から入手
- 在職証明書(英語版も)
海外就職の場合求められる場合もあります。 - 源泉徴収票
- 健康保険・厚生年金保険資格喪失連絡票
- 給与明細
- 退職証明書
②行政から入手
- 戸籍謄本
- 印鑑証明
③その他
- パスポート
- ビザ
- 航空券やホテルなどの予約票
- 運転免許証(国際免許証)
- マイナンバーカード(海外用に変更後)
- 証明写真
PDF化しておくと何かと便利です。
海外でも入手できますが、割高なことが多いです。
日本の銀行に残すお金の決定
人によっては奨学金(支払いの繰越や前払いもできますが、かなりめんどくさいので、支払い続けるのが無難です。)やローンの返済があると思います。
転出期間中の返済総額を補える資金力がある場合は、その分を計算して口座に残しておきましょう。
また、クレジットカードの支払いなども残っている場合がありますので、そういった支出も全て算出してみましょう。
一方で転出後にも会社からの給与などの収入がある場合もあると思います。
全ての収入・支出をリストアップして、滞納してブラックリストに載ったりしないようにしましょう。
- 対象者
海外転出者全員 - 期間
海外転出まで
必要な物の買い出し
海外留学・ワーホリをする際に必要なものは以下の記事でまとめています。
おそらく他のブログよりもかなり詳しく記載しているので参考にしてみてください。
- 対象者
海外転出者全員 - 期間
パッキングしながら随時
関連記事は、以下でまとめています。
参考にしてみて下さい!